徳丸北野神社田遊びの行事や日程

徳丸北野神社田遊びの行事や日程

2020年1月19日

田遊びは、古くから伝承されてきた水田耕作に関わる行事で、旧正月にその年の五穀豊穣と子孫繁栄を祈願し神に奉納する行事です。

板橋区徳丸北野神社の田遊びは国の重要無形民俗文化財に指定されていて、毎年2月11日に氏子組織と保存会によって執り行われます。

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徳丸北野神社田遊びの概要

東京でも1950年代までは田園風景が広がり、古くからの農村としての面影を残していました。

板橋区徳丸地区も都内有数の田園地帯でしたが、他の地域同様に宅地化が進みその名残は現在ほとんどありません。

ですが、徳丸地区で継承されている「田遊び」は農村だった時代の集落の姿を今に伝える貴重な民俗行事として国の重要無形民俗文化財に指定されています。

その「田遊び」は、旧正月にその年の五穀豊穣と子孫繁栄を祈願し、稲作の作業内容を唱える言葉と所作によって表現し、神に奉納する行事です。

北野神社に伝わる縁起によると、徳丸の田遊びは、徳丸の地に天満宮を建立した際に里人らにより奉納されたものがルーツであり、それは長徳元(995)年のことであると言い伝えられている。

以来1000年以上もの歳月、途絶えることもなく田遊びという古風な神事が、その所作や唱え言葉など口伝によりほぼ完全な形で現在に伝承されている。

これは全国的にも珍しい例として1976(昭和51)年、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

徳丸北野神社田遊び2020年の開催情報

名  称徳丸北野神社田遊び
開催期間2020年2月11日(火・祝)
午後6時から2時間程度
開催場所北野神社境内にて
所 在 地東京都板橋区徳丸6-34-3
料  金無料
アクセス(公共交通)東上線成増駅→バス 赤羽駅行き紅梅小学校下車 徒歩5分
三田線高島平駅→バス 東武練馬駅行き徳丸六丁目下車 徒歩5分
アクセス(車)[駐車場]無料:約8台 参拝者用 
問合せ先徳丸北野神社社務所
電話番号/03-3932-0668
ホームページ/徳丸北野神社公式サイト
備  考 

行事の詳細とみどころ

この行事は、社殿前庭に設けられたモガリに太鼓を据えて田に見立て、大稲本、小稲本と氏子達とが苗代作りから収穫に至るまでの農家の一年間の作業を所作と唱え言葉で再現していくいくことにより、五穀豊穣を願う予祝行事です。

当日は朝9時の餅つきからスタートし、祭礼具の製作・修理を行い、神社の拝殿前には四方に竹を立て、しめ縄を張り巡らした二間四方の「もがり」(仮設舞台)と呼ばれる舞台を作ります。

「もがり」(仮設舞台)

「もがり」の中央に大宮太鼓が据えられ、この太鼓が当日の祭りの主楽器にもなり、同時に田のシンボルにもなります。

舞台や道具の準備を終えた午後5時の春季大祭で「降神の儀」がおこなわれます。

午後6時を過ぎると拝殿前のモガリの中央据えられた太鼓を田に見立て、田遊びの主導となる「大稲本」、それを補佐する「小稲本」、稲を象徴する「早乙女」と「鍬取り」の装束を付けた保存会のメンバーがそろい、神事が始まります。

「町歩しらべ」から順を追い、田打ち、種まき、鳥追いなどの行程が演じられる一方で、暴れ牛や早乙女、獅子、ヨネボウと呼ばれる人形などさまざまなキャラクターが登場し「稲叢積み」迄を凡そ2時間足らずで模擬していきます。

  1. 町歩調べ:田を耕す前に苗代田の数を数える
  2. 田打ち:田を荒起こしする
田打ち

田打ち

  1. 田うない:荒田をならす。一同が鍬(刃は餅製、柄は木製)を携え太鼓の周りを回る
  2. 代かき:田に水を入れならす。一同が鍬を担いで太鼓の周りを回りながら牛を出す
  3. 種まき:大稲本(主導者)・小稲本(補佐役)が笊の種もみを太鼓の音やはやしうたの調子に合せて、四方に蒔きます。

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種まき種まき

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鳥追い鳥追い

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  • 鳥追い:蒔いた種が鳥に食われないように、大稲本・小稲本がササラ(篠竹2本)を擦り鳴らし鳥を追う所作をします
  • 田まわり:大稲本・小稲本がササラを擦りながらひと回りします。
  • 春田うない:太鼓の周りを周りながら田をうないます。
  • 田かき:鞍に見立てた餅を背に載せた牛が再登場します。
  • 田ならし:牛を洗い、施肥後、大稲本・小稲本が農具「いぶり」で田をならす
    田ならし

    田ならし

  • 田植え:稲穂に見立てた「早乙女」役の男児を順番に一人づつ太鼓に乗せて歌いながら胴上げをし、稲の成熟と子供の成長、子孫繁栄を祈願します

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    田植え田植え

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    呼び込み呼び込み

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  • 呼び込み:田植え後の休養。ヨネボウ(穀物の種子を象徴、男根を象った藁人形)、飯櫃、抱擁する安女と太郎次、獅子、馬、矢などが西参道から舞台へと向かう。これらは村内の悪疫や悪魔を祓い、稲の害虫を殺すもので、舞台上の一同は扇子で呼び込みを行う。
  • 田植え後の休養。ヨネボウ(穀物の種子を象徴、男根を象った藁人形)、飯櫃、抱擁する安女と太郎次、獅子、馬、矢などが西参道から舞台へと向かう。これらは村内の悪疫や悪魔を祓い、稲の害虫を殺すもので、舞台上の一同は扇子で呼び込みを行う。

    1. 田の草取り
    2. 田まわり
    3. 稲刈り:大稲本・小稲本は木製鎌と、稲を表す松と梅の枝を持って稲刈り、次いで手拭いで脱穀の所作をします。
    4. 稲叢積み:太鼓の上に飯櫃、鞍、籠、ヨネボウ、笊田など田遊びの用具一切をを載せ、大稲本・小稲本が扇子を煽ぎながらみんなで手を添えて、稲むらをほめ手打ちとなります。
      稲叢積み

      稲叢積み

    なお、一連の儀式のほとんどは社殿に向かって行われるため、拝殿前(舞台北側)に見学位置を確保できなければまともに見ることはできないようです。唯一「呼び込み」のパートのみ、舞台西側の方がよく見えるようです。

    この諸役につく人達は、往古は徳丸郷の洞(字)の代表の家が代々それぞれの諸役を受け継いできましたが、現在は「徳丸北野神社田遊び保存会」を組織し、その氏子の子孫達が継承し奉仕するようになっています。

    『田遊び』は徳丸の里の村人が、先祖代々純粋・素朴に、古俗のままの姿で受け継いできた神事なのです。

    動画で見る徳丸北野神社「田遊び」

     徳丸北野神社「田遊び」神事の様子2018
    国指定重要無形民俗文化財

    地 図 情 報

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     会 場 徳丸北野神社

    徳丸北野神社 二の鳥居より

    徳丸北野神社 二の鳥居より